津川 浩一郎先生
センチネルリンパ節生検の現状と今後特に病理検査から半自動化された遺伝子検査(OSNA法)への移行
乳癌では約3割程度の患者さんに腋の下のリンパ節(腋窩リンパ節)に転移が認められます。従来は乳癌の手術時一律に腋窩リンパ節を根こそぎ切除する手術(腋窩リンパ節郭清)が行われていました。現在では、センチネルリンパ節生検という手法を使ってまず転移の有無を確認し、それによって郭清するか否かを決めています。センチネルリンパ節とは癌原発巣から直接リンパ流を受けるリンパ節で、最初に転移がおこるリンパ節といえます。RI、色素などのトレーサーを腫瘍近傍に注入してリンパの流れを確認しセンチネルリンパ節を見つけ、摘出生検します。転移診断には病理組織検査が用いられますが、多数の切片を作成する労力や割面に表れた転移のみしか確認できないなどの問題点があります。そこで、リンパ節転移のより正確な診断方法として遺伝子検査(OSNA法)が開発され、注目を集めています。当院でも臨床試験が行われ、術中診断への応用が始まります。リンパ節全体を溶液化し、癌細胞が持つ遺伝子を増幅させてオートメーション化された機械によってリンパ節転移の診断を行います。小さな転移も含め短時間で(30分程度)診断結果を得ることが可能です。正確な診断を行うことで、腋窩リンパ節郭清や必要な薬物療法の適応決定に大いに貢献することが期待されます。
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